先端研究助成基金助成金(最先端・次世代研究開発支援プログラム)

1.研究の背景

経口摂取されたサプリメント・医薬製剤に含まれる生理活性物質や薬理物質が有効に機能するには、まず消化管から体内へと吸収される必要があるが、これらが難水溶性(水に非常に溶けにくい)である場合、摂取量の一部しか体内に取り込まれず、機能が十分に発揮されないという問題がある。

4.将来的に期待される効果や応用分野

 生理活性物質や薬理物質の吸収性を向上させてその機能を高めるとともに、投与・摂取量を減らすことで低コスト化、副作用の低減などの効果が得られ、国民健康の向上等が期待できる。さらに、薬理物質の消化分解からの保護に本技術を応用すれば、医薬製剤等の品質向上が図れる。

2.研究の目標

 本研究では、難水溶性の機能性物質の水溶性と吸収性を高め、体内での有効性(バイオアベイラビリティ)を向上させるため、難水溶性物質をタンパク質加水分解物であるペプチドによって分子レベルで被覆した分子複合体を調製する新技術を開発する。

課題番号LR029
超分子性ペプチド複合体の自発的形成による生理活性物質の水溶化とバイオアベイラビリティの強化
最先端・次世代研究開発支援プログラムのHPにて、研究概要のpdf版が公開されています。
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3.研究の特色

 安価な食品用タンパク質を分解して得られるペプチドを水溶化技術に用いるのが本研究の特色である。ペプチドは、タンパク質の種類と分解方法によってその化学構造が何万通りにもなる。本技術では、相性の良いペプチドが自ら難水溶性物質と結合することで、水溶性の分子複合体を形成させる。

研究概要

→難水溶性の生理活性物質・薬物の吸収は溶解律速となり、
十分に体内へ吸収されない場合がある