酸素添加酵素を利用した環境調和型物質変換技術の開発

生体触媒である酵素を利用した有機化合物の変換は、有機溶媒を使用せず、常温で行うことができる環境調和型のプロセスです。

"芳香環ジオキシゲナーゼ" と呼ばれる芳香環酸素添加酵素は、空気中の酸素分子をベンゼン環に導入する酵素です。(図) ベンゼン環に水酸基を立体特異的に導入することができるので、本酵素を用いてベンゼン環を持つ非天然化合物から医薬品や新素材の中間体を合成することが試みられています。

本研究室では、芳香環ジオキシゲナーゼに関する以下の研究を行っています。

1. 変異型ビフェニルジオキシゲナーゼの有機合成への利用

進化分子工学的手法によって創製された変異型ビフェニルジオキシゲナーゼを利用して種々の芳香族化合物の変換を試みています。反応生成物を抗インフルエンザ薬タミフルなどの医薬原料として利用するために収率の改善を行っています。

 
2. ビフェニルジオキシゲナーゼへの変異導入と機能改変

ビフェニルジオキシゲナーゼの立体構造(下図)及びこれまでに報告されている実験的データーから、反応の特異性に影響を及ぼすと予想されるアミノ酸残基を抽出して部位特異的に変異を導入し、得られた変異体の中から新しい物質変換能を示す変異型ジオキシゲナーゼの取得を試みています。(具体的な研究手法は
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